看護師の労働時間

交替勤務者の時間外労働時間分布
(日本看護協会:2008年実態調査)

日本の労働者は労働基準法の定めで労働時間の上限が定められています。
1日8時間、1週間40時間が法定労働時間で、このルールを基本に様々な規定(36協定など)により、より柔軟に運用されていいます。
つまりタクシーの運転手のような1日に及ぶ労働時間や看護師のように、2交替、3交代といった変則勤務にも柔軟に適用されているのです。

一般のサラリーマンの場合、2007年の厚生労働省発表のデータによると1週間の労働時間が60時間以上の労働者の割合は10.3%、特に30歳代男性では20%と高止まりしています。長時間労働は残業扱いとなるが、ここで一番問題となるのが長時間労働により、健康を害する恐れがあることです。 看護師の場合はどうか。
日本看護協会の「時間外勤務、夜勤、交替勤務等実態調査」によると、1ヶ月の時間外労働時間の平均は23.4時間です。
但しこれは平均で、交替制勤務(2交替、3交代、変則2交替、変則3交代)で夜勤をしている人の23人に1人が月に60時間を越える時間外労働をしているといえます。年齢別に見ると、20歳代が平均26時間で最も長く、病床規模別では病床数99床以下では17.2時間、600床以上になると28時間となり、規模が大きくなると時間外労働が長くなる傾向にあります。

部署別では看護部が29.3時間、オペ室が28.0時間救命救急が27.5時間でした。
「看護職員の労働実態調査」によると「休憩時間」について日勤者は「大体取れている」と回答した者が53.9%いるが、準夜では「あまり取れていない」と「全く取れていない」を合わせると過半数を占める。夜勤では「大体取れている」が48.5%あったが、「あまり取れていない」も30%ありました。看護師の場合一般労働者と異なり、疲労により重大な医療事故を招く可能性もあり、患者に対する安全な医療提供という側面からも改善すべき問題です。
 

 看護師の勤務体系

1992年の労働基準法の改正により、それまで「看護師交替勤務者の時間外労働時間分布の勤務形態は3交替を基本とする。」という規定が「2交替(日本看護協会:2008年実態調査)でも差し支えない」となり、これにより2交替導入の病院が多くなりました。
夜勤の実態については日本医療労働組合連合会「2009年度夜勤の実態調査」によると、夜勤日数は3交替の場合、83.5%の看護職員が1ヶ月「8日以内」で平均夜勤日数は7.3日でした。
夜勤体制は「3人以上」が6割で、一方2交替制では67.7%の看護職員が1ヶ月「4日以内」で平均夜勤日数は3.9日でした。
2009年の「看護白書」によると、一般病棟においては2交替制が次第に増加の傾向にあり、2010年には過半数を占めるに至りました。
日本看護協会では現在、「多様な勤務形態による就業促進」を進めており、これは労働時間の長さや働く時間帯場所を自由に選択できるようにし、看護師の働き易い環境づくりを促進していくものです。
看護師は患者を支える重要な専門職であり、看護師不足が叫ばれる昨今、多様な勤務形態の確立こそ今後医療界に求められるものでしょう。